HONMEMO

読書備忘録です。

未来をはじめる/宇野重規

豊島岡女子中高生に対する著者の政治思想・哲学+αに関する特別授業。加藤陽子の「それでも日本は戦争を選んだ」と同様の仕立てで、様々なジャンルでこのような取組が行われるといいと思う。 本書に物足りなさを感じるところもあるのだが、これは、本書がま…

定年後/楠木新

読む本がなくなって止むを得ず読んだみたいなものなので特に文句もないが、つまらない。 定年後 - 50歳からの生き方、終わり方 (中公新書) 作者: 楠木新 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2017/04/19 メディア: 新書 この商品を含むブログ (14件) を見…

現代社会はどこに向かうか/見田宗介

明るく、ポジティブな、人類社会の現状分析と未来予測。経済成長なき定常社会は、生の合理化=現在の空疎化という圧力から解放され、無数の至福が一斉に開花する高原であると。 「軸の時代」が定常期たる原始時代から爆発期たる近代社会への変節期であるとす…

科学者はなぜ神を信じるのか/三田一郎

本書で紹介される超一流の物理学者が神をなぜ信じるのかという考え方の道筋、折合いの付け方、あるいは神からの影響の受け方は、様々に興味深い。 著者は、科学法則の創造者が神であるとの考えであり、宇宙のはじまりを、科学法則を誰が作ったかを突き詰めて…

ドストエフスキー 父殺しの文学/亀山郁夫

比較的最近読んだカラマーゾフの兄弟などはまだなんとかなるのだが、各テキストの要旨なども記載されているものの、結構厄介だった。 ここまでのめり込むような謎解きの作業は、学者の領分だろうと、理解力の及ばぬところを棚に上げておく。 ドストエフスキ…

タイワニーズ/野嶋剛

日本と台湾との関係は、本省人と外省人更には「台湾人」、また、中華民国と中共との関係といった対立図式の中で、複雑なものとなっている。そんな中で比較的良好な関係が維持されているのは、本書で取り上げられるような人々の活躍があったからであると。 取…

大恐慌を駆け抜けた男 高橋是清/松元崇

高橋是清の自伝というより、明治維新から太平洋戦争に至るまでの日本を、財政、金融、税制の面から見たもの。この時期の歴史を扱う本は多いが、このような切り口はとても興味深く、なるほどと思わせるところが沢山あった。 大恐慌を駆け抜けた男 高橋是清 作…

花殺し月の殺人/デイヴィッド・グラン

ネイティブ・アメリカンの大量殺人は、西欧・白人植民地主義の流れの中で白人以外はヒトに非ずという差別意識がなお強かった(というか、それが当然のこととして、意識すらされない)時代の悲劇なのだろう。もちろん、時代のせいとしてその行為が正当化される…

15時17分、パリ行き/アンソニー・サドラーほか

パリ列車テロの模様とそれを阻止したアメリカ人3人のそれまでの人生、事件後の狂騒を描く。事件そのものの記述が少ないのに驚く。 ヒーローとなった3人のその後の人生がどうなるのか、持ち上げられ、大はしゃぎなだけに、その方が気になる。 15時17分、パリ…

1941 決意なき開戦/堀田江理

日本における真珠湾までの政策決定過程を、英語で米国人向けに書いたものの翻訳。 勝ち目がないと分かっていた戦争に突入してしまった「決意なき開戦」の原因は、日本の統治機構(システム)の欠陥(独裁とは逆の無責任体制)だけでなく、近衛をはじめとする当時…

知の体力/永田和宏

知の体力 (新潮新書) 作者: 永田和宏 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2018/05/16 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る

北米体験再考/鶴見俊輔

北米体験を再考してみると、著者の北米留学時代の体験の中にある米国像は、黒人の眼、ヴェトナム人の眼、沖縄の日本人の眼からみるとなお浅いと。 (マシースンの社会主義、スナイダーによるアメリカ・インディアンの評価、フェザーストーン、クリーヴァーに…

されど愛しきお妻様/鈴木大介

脳梗塞に倒れ自らも高次脳機能障害を負うことによってはじめて、大人の発達障害を抱える妻の苦しみが真に理解されて、夫婦関係は大きく変化していく。 障害者理解の「ためになる本」という読み方もあろうが、1組の夫婦のノンフィクションとして、不謹慎な物…

大人のための社会科/井手英策・宇野重規・坂井豊貴・松沢裕作

社会科学のオルタナティブというにはお気軽にすぎるのでは? カバーを漫画にする意図はいずこにありや? 大人のための社会科 -- 未来を語るために作者: 井手英策,宇野重規,坂井豊貴,松沢裕作出版社/メーカー: 有斐閣発売日: 2017/09/01メディア: 単行本(ソ…

服従/ミシェル・ウェルベック

フランス大統領選で国民戦線のルペンが第1位、イスラム政党が第2位となったことから、社会党等がイスラム支持にまわり、決選投票でイスラム政党の大統領が誕生する。 静かなイスラム革命に知識人は服従して。 服従 (河出文庫 ウ 6-3) 作者: ミシェル・ウエル…

勉強の哲学/千葉雅也

勉強とは、保守的に生きてきた環境、コード(ノリ)を脱し(ノリが悪くなる)、新たな環境(ノリ)へ引っ越すこと。 環境のノリから自由になるための思考ツールとして、 -ツッコミ=アイロニー〜根拠を疑って真理を目指す -ボケ=ユーモア〜見方を多様化する がある…

21世紀の暫定名著/群像編集部

21世紀の暫定名著 作者: 大澤真幸,佐藤優,内田樹,松岡正剛,上野千鶴子,荻上チキ,池田清彦,松原隆一郎,斎藤環,大澤信亮,中島岳志,白井聡,栗原康,清水良典,松浦寿輝,富岡幸一郎,佐々木敦,佐藤康智,茂木健一郎,群像編集部 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2016…

湖畔の愛/町田康

久しぶりに町田節 湖畔の愛 作者: 町田康 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2018/03/22 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る

競争社会の歩き方/大竹文雄

行動経済学の本は、何冊か読んでいるが、知っていることを繰り返し読んでも面白い。(すぐ忘れるからではある) 人間、意識していないとバイアスのかかった判断をしてしまう。その結果が個人の損得にとどまるときはよいけれど、政策判断などに影響が及ぶ場合は…

日本人は何を捨ててきたのか/鶴見俊輔・関川夏央

個人、一番病、桶 日本人は何を捨ててきたのか: 思想家・鶴見俊輔の肉声 (ちくま学芸文庫) 作者: 鶴見俊輔,関川夏央 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2015/10/07 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (7件) を見る

銀の匙/中勘助

繊細な、あまりに繊細な。 世のなかをなんのへちまと思へどもぶらりとしてはくらされもせず (なるほどの一休禅師) 銀の匙 (岩波文庫) 作者: 中勘助 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1999/05/17 メディア: 文庫 購入: 15人 クリック: 150回 この商品を含む…

吉田神道の四百年/井上智勝

神道にも"流派?"があり、権力との関係で消長がある。 吉田神道の四百年 神と葵の近世史 (講談社選書メチエ) 作者: 井上智勝 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2013/01/11 メディア: 単行本(ソフトカバー) 購入: 1人 クリック: 16回 この商品を含むブログ (…

反共感論/ポール・ブルーム

(情動的)共感に基づく行動でなく、理性により、行動することが重要。 特に道徳的問題や公共政策の判断が共感によって行われると、そのスポットライト効果によって、歪んだ決定がなされることになりがちである。 誤読、批判の予防線を張る議論が多くて読みに…

平成デモクラシー史/清水真人

平成に入って小選挙区制が導入されて、衆院選は政権選択選挙との位置付けとなり、これを背景として、日本の政治システムは、首相主導、官邸主導の政治へと変貌を遂げてきた。その行き着く先がいわゆる安倍一強というところでもある。 平成の政治システム史が…

ヒルビリー・エレジー/J.D.ヴァンス

白人貧困層(ヒルビリー)の実相を自らの体験として描いて、アメリカ社会の分断がいかに深いものかが、痛いほどによくわかる。 この層をターゲットとしたキャンペーンがトランプ大統領を生んだと言われるが、トランプの政策は一見彼らのウケを狙うように見える…

コンビニ人間/村田沙耶香

コンビニ人間 作者: 村田沙耶香 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2016/07/27 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (66件) を見る

幕末気分/野口武彦

幕末気分 作者: 野口武彦 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2002/02 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (7件) を見る

アメリカ 暴力の世紀/ジョン・ダワー

アメリカ 暴力の世紀――第二次大戦以降の戦争とテロ 作者: ジョン・W.ダワー,田中利幸 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2017/11/15 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (5件) を見る

歴史をつかむ技法/山本博文

歴史をつかむ技法 (新潮新書) 作者: 山本博文 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2013/10/17 メディア: 新書 この商品を含むブログ (8件) を見る

残念和食にもワケがある/岩村暢子

愕然とした。 残念和食にもワケがある - 写真で見るニッポンの食卓の今 (単行本) 作者: 岩村暢子 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2017/10/18 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る