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HONMEMO

読書備忘録です。

洟をたらした神/吉野せい

『口中に渋い後味だけしか残らないような固い木の実そっくりの魅力のないものでも、底辺に生き抜いた人間のしんじつの味、にじみ出ようとしているその微かな酸味の香りが仄かでいい、漂うていてくれたらと思います。』と記す、著者の生活の真実。洟をたらし…

美しき日本の残像/アレックス・カー

日本=電線、コンクリ、パチンコ屋美しき日本の残像 (朝日文庫)作者: アレックス・カー出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2000/09/14メディア: 文庫購入: 7人 クリック: 265回この商品を含むブログ (24件) を見る

そんな言い方ないだろう/梶原しげる

そんな言い方ないだろう(新潮新書)作者: 梶原しげる出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2012/05/04メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る

日々の非常口/アーサー・ビナード

日々の非常口 (新潮文庫)作者: アーサービナード,Arthur Binard出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2009/07/28メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 18回この商品を含むブログ (16件) を見る

御馳走帖/内田百閒

御馳走帖 (1979年) (中公文庫)作者: 内田百間出版社/メーカー: 中央公論社発売日: 1979/01メディア: 文庫この商品を含むブログを見る

その日の墨/篠田桃紅

その日の墨 (河出文庫)作者: 篠田桃紅出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2014/12/08メディア: 文庫この商品を含むブログを見る

英国一家日本を食べる/マイケル・ブース

英国一家、日本を食べる (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ)作者: マイケル・ブース,寺西のぶ子出版社/メーカー: 亜紀書房発売日: 2013/04/09メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (39件) を見る

カネ遣いという教養/藤原敬之

カネ遣いという教養 (新潮新書)作者: 藤原敬之出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2013/10/17メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る

酒のさかな/高橋みどり

酒のさかな (ちくま文庫)作者: 高橋みどり出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2014/11/10メディア: 文庫この商品を含むブログを見る

ルリボシカミキリの青/福岡伸一

ルリボシカミキリの青 福岡ハカセができるまで (文春文庫)作者: 福岡伸一出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2012/09/04メディア: 文庫 クリック: 2回この商品を含むブログ (9件) を見る

どくろ杯/金子光晴

放浪記3部作の第1作。次のねむれ巴里は、昔読んで、中身はすっかり忘れているけれど、独特の雰囲気を思い出した。なんという赤裸々な、露悪的というのとは違うのだが、こういうさらけ出し方が詩人なのか、とも思う。 中野孝次による解説から引用 「どくろ杯…

イケズの構造/入江敦彦

初対面に近い京都人がよそさんに1から4のようにコーヒーを勧めた場合の正しい応答はそれぞれ次のようになるらしい。 コーヒー飲まはりますか。→ただの挨拶なので、「へえ、おおきに」と言って頃合いをみて帰る。(コーヒーは出てこない。) そない急かんでもコ…

旅の途中/筑紫哲也

自らの回想録の代わりに、自分がこれまで出会ってきた人たちについて、自分の心象風景を含めて何かを書くことはできるかもしれない、ということで書かれたものであると。 安東仁兵衛にはじまり丸山眞男に終わるというのがなるほどの基軸になっているが、一方…

正弦曲線/堀江敏幸

堀江敏幸のエッセイといえば、回送電車シリーズがあるが、本書がそれに位置づけられていないのは、短い独立したエッセイを集めたものでありながら、正弦曲線というコンセプトでくくられているためということだろうか。 日々を生きるとは、体内のどこかに埋め…

国会議員の仕事/林芳正・津村啓介

いろいろな意味で対照的なポジションにある2人の国会議員による 議員になるまで 国会議員としての仕事と生活 閣僚など政権内での仕事 についてのエッセイ(短い対談付き)。それぞれになかなか面白い。 選挙制度、統治機構のあり方は、真剣に議論されるべきだ…

くう・ねる・のぐそ/伊沢正名

クソ本は世に数多あるが、本書は、そういうクソみたいな本ではなく、クソについて真面目に考え、取り組んだ本。 まあ、つきあいきれん、という感じではあるが。本書を、ウェッと思うことなく読み通せれば、糞土師の愛弟子となれるであろう。くう・ねる・のぐ…

見仏記/いとうせいこう・みうらじゅん

個性的な2人による仏像鑑賞。観念的な見方をするいとう、即物的な傾向のみうら。鑑賞はどこまでも自由。見仏記 (角川文庫)作者: いとうせいこう,みうらじゅん出版社/メーカー: 角川書店発売日: 1997/06メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 44回この商品を含む…

わたしの渡世日記/高峰秀子

昭和の日本映画全盛期を支えたトップスターの一人、高峰秀子の半生記。 美女のものとは思えない男勝りの文体、勝気な、芯の通った生き方は、「渡世」日記というにふさわしい。 養母(親類、縁者も)とのバトルが凄まじいが、一方、谷崎潤一郎、梅原龍三郎、新…

叙情と闘争/辻井喬

昨年亡くなった辻井喬(堤清二)の回想録。 経営と文学という水と油ほども異なる二つの分野で、超一流の業績を残したが、本書で次のように書かれていて、やはりなかなか簡単なことではないのだろうなと思う。 自分にも難解に見えた条件として、経営者である人…

僕がメディアで伝えたいこと/堀潤

元NHKアナウンサーの著者がNHKでの経験なども踏まえながら、メディアについて考えていることを記したエッセイ。 NHKという組織を半ば追われるように去っても、そのような既存メディアを全否定するような短絡に走らず、市民のためのメディアということを真剣…

耳そぎ饅頭/町田康

うくく。耳そぎ饅頭 (講談社文庫)作者: 町田康出版社/メーカー: 講談社発売日: 2005/01/14メディア: 文庫 クリック: 6回この商品を含むブログ (58件) を見る

全国アホ・バカ分布考/松本修

著者は探偵ナイトスクープのプロデューサー。番組での取材をきっかけにアホ•バカ表現の分布や語源を調べていく。結論は柳田國男の方言周圏論を支持する興味深いもの。全国アホ・バカ分布考―はるかなる言葉の旅路 (新潮文庫)作者: 松本修出版社/メーカー: 新…

からくり民主主義/高橋秀実

原発、沖縄、諫干、上九一色など、世論とか一般的な理解、イメージというのは結構いい加減で、現場は簡単には語れない複雑なものなんだと。大事な視点。 解説は村上春樹。からくり民主主義 (新潮文庫)作者: 高橋秀実出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2009/11/…

30歳キャリア官僚が最後にどうしても伝えたいこと/ 宇佐美典也

官僚制度にいろいろ問題があるにせよ、優秀な人材が外資系金融機関を志向する一方で、若手官僚が官僚バッシングの中で辞めていくという実態は歪んでいる。官僚制度は冷静にきちんと検証する必要があるのではないだろうか。30歳キャリア官僚が最後にどうして…

アイロンと朝の詩人/堀江敏幸

様々な媒体に発表された小文をまとめた回送電車シリーズの3冊目。回送電車Ⅱはまだ読んでいない。 表題作はバイロンと関係があるのかと思ったが、そうではなくて、アイロンに関係するフランス語から派生するユーモラスな妄想。 「大学の送迎バスに乗り遅れた…

首相官邸で働いて初めてわかったこと/下村健一

著者は、元TBSアナウンサーで、菅直人元首相の要請で官邸に入り、広報担当の審議官として働いた。その経験を踏まえて考えたことを語りかけるような飾らない文体で綴っている。 「お任せ民主主義」からの脱却 市民の側も、自分たちが選んだ政治家を支える意識…

アーロン収容所/会田雄次

1962年初版のロングセラー。 ビルマ南部で終戦を迎え、英国軍の捕虜として収容所で2年にわたり強制労働の日々を送った記録。 イギリス人は士官と兵とで階級社会を反映した大きな違いが見られ、また、日本人を家畜同様にみている。いかな捕虜であるとはいえ、…

零戦/堀越二郎

1970年に書かれたものを「風立ちぬ」公開に合わせて復刊・文庫化したもの。 技術開発は、厳しい現実的な条件の中で、既成の考え方を打ち破る発想で、当然に考えられるぎりぎりの成果をどうやって一歩抜くかを考えることであり、零戦ほどそのような考え方が象…

私の嫌いな10の人びと/中島義道

醜い日本の私でもうるさい日本の私でも本書でも氏の思想は変わらない。あたりまえだ。 当人がどんな思想をどれだけ自分の固有の感受性に基づいて考え抜き鍛えぬいているかが決め手となる。つまりその労力に手を抜いている人は嫌いなのです。 一番手抜きがし…

海軍主計大尉小泉信吉/小泉信三

慶應義塾の塾長であった小泉信三による戦死した息子信吉のメモワール。おおよそ30年ぶりの再読。 出征に当たり、著者は、息子信吉あての手紙に次のように書く。 君の出征に臨んで言って置く。 吾々両親は、完全に君に満足し、君をわが子とすることを何よりの…

東京骨灰紀行/小沢信男

関東大震災、東京大空襲の被災者の眠る両国旧被服廠跡、小伝馬町の牢屋跡、小塚原(千住)、聖路加・本願寺の築地、谷中、多磨霊園、新宿などの「骨灰」をめぐる散歩エッセイ。 わたしも一時「墓マイラー」の仲間入りをして、雑司ヶ谷、谷中、染井、多磨など…

ソロモンの指輪/コンラート・ローレンツ

ローレンツは、「攻撃」が大学教養課程の時の推薦書か何かになっていて、ちょこっと読んだ記憶があるのだが。 コクマルガラスのチョック、ハイイロガンのマルチナなど有名なエピソードも含めて、楽しい本。 翻訳は、(もちろん)日高敏隆。 ソロモンの指環―…

「アメリカ社会」入門/コリン・ジョイス

イギリス人からみて、日本も変だが、アメリカの方がよほど変だと。 アメリカがスタンダードだと考えがちなのだけど、やはりアメリカは変なんだ。 以下Amazonからコピー 出版社からのコメント ○ 「ありがとう」の返礼が、なぜ「たしかに」なの? ○ スポーツは…

世界を、こんなふうに見てごらん/日高敏隆

2009年、著者が亡くなる直前に書かれたエッセイで、あとがきを書く前に亡くなったようだ。メッセージ性の高い文章になっている。 人間は真実を追究する存在だといわれるが、むしろ真実でないこと、つまりある種のまぼろしを真実だと思い込む存在だというほう…

街場の大阪論/江弘毅

大資本によるチェーン展開の店はつまらない、「知っている」店がいい、というお話がしつこく繰り返される。そりゃそうでしょ。 大阪についての本を2冊続けて読んだが、いずれもさっぱり…。 街場の大阪論 (新潮文庫)作者: 江弘毅出版社/メーカー: 新潮社発売…

大阪学/大谷晃一

第1章から5章までが大阪の風俗(いわゆるフーゾクではなくて)について、そのあとは、楠木正成、蓮如、信長・秀吉、西鶴、上田秋成、契沖、山片蟠桃、織田作之助、武田鉄太郎、宇野浩二などの人物論が中心で、なんだか中途半端。 大阪学 (新潮文庫)作者: 大…

巴里の空の下オムレツのにおいは流れる/石井好子

1963年上梓。暮らしの手帳に連載されていたということで、ああそれらしい、そういう雰囲気、手触りがあるなと思う。ほとんど料理の作り方ばかりが書かれているのだけれど、それにとどまらず、パリ(西欧)というと、まだまだアクセスがとても大変な時代に、そ…

女たちよ!/伊丹十三

1968年上梓の、食、酒、女、車、ファッションなどにまつわるエッセイ。 その映画にもみられる徹底した細部へのこだわりは著者ならではで、当時、庶民には馴染みの薄いアルデンテのスパゲッティ、アボカド(=鰐梨!)、フランスパン、カマンベールについての…

上海にて/堀田善衛

1945年3月から46年末までの上海での生活を57年の再訪を機に振り返るエッセイ。 あの時(8月15日)天皇はなんと挨拶したか。負けたとも降伏したとも言わぬというのもそもそも不審であったが、これらの協力者に対して、遺憾ノ意ヲ表セサルヲ得スという、この嫌…

建築に夢をみた/安藤忠雄

2000年のNHKの番組のテキストを再構成したもの。安藤忠雄が建築や都市計画さらにはより広く環境、社会について考えたこと、そしてそれと関連して自らの仕事について語る。 安藤建築探訪ガイドつき。いずれ関西から直島まで、見てまわりたい。 建築に夢をみた…

蝶とヒットラー/久世光彦

鳥獣剥製店、義眼工房、地下軍装店、自鳴琴(オルゴール)博物館、昆虫博物館などをめぐるロマネスクなエッセイ。 <まどろみ>という言葉が好きである。…発条(ぜんまい)がいまにもほどけきろうとする時の、オルゴールの臨終(いまわ)の音、ためらいなが…

熊野でプルーストを読む/辻原登

書評、エッセイなど雑文集。 「本屋大賞」を正面から腐していて、根性を感じる。『(書店員の書いたポップの)文章はたいていひどい悪文。確信をもって言うが、書店員がスーパーの店員より本をたくさん読んでいるわけではない。』だって。書店員敵に回してど…

はい、泳げません/高橋秀実

「弱くても勝てます」がツボだったので。スイミングスクールで水泳を習うのだが、ちょっと考えすぎだろ、という感じ。「弱くても勝てます」の開成高校の生徒の理屈っぽさは、著者高橋秀実のそんな「考えすぎ」の性格の投影なんだな…。 「考える人」に連載さ…

そうか、もう君はいないのか/城山三郎

先に逝った妻との日々を綴ったエッセイ。著者の死後発表されたもの。娘さんによる城山三郎死去までの氏の様子を綴った文章もまた涙を誘う。 解説は児玉清。氏も鬼籍に入った。 そうか、もう君はいないのか (新潮文庫)作者: 城山三郎出版社/メーカー: 新潮社…

東京震災記/田山花袋

関東大震災直後の田山花袋のエッセイ、ルポ。もうひとつピンとこない。安政の大地震の経験がすっかり忘れられているという話が深められることはなく、遷都論に話が飛んでしまう。今日また墨田区など危険地域だという報道があったけれど、地権の問題もあって…

神谷美恵子日記/神谷美恵子

「生きがいについて」を読んで、著者の日記も読みたいと思ってから何年になるか。 「生きがいについて」を書く人は、このように意志強く自らを奮い立たせる人であり、家族を思う人であるのだなと。心の持ち方の次元が違う。ただただ感じ入るのみ。 神谷美恵…

日本ぶらりぶらり/山下清

放浪の画家とか、裸の大将とか呼ばれた山下清の放浪記。といっても、有名になってから後見人とも言うべき式場某氏らと行った取材旅行の際のものが多いので、放浪記というよりは旅行記。式場氏によるあとがきによると、文章も式場氏による手が入っているもの…

清貧の思想/中野孝次

20年前のベストセラー。バブルが崩壊して、こういう本が読まれるけれど、モノの呪縛を解くのは容易ではなく。 いずれ徒然草をゆっくりと。西行も。 清貧の思想 (文春文庫)作者: 中野孝次出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 1996/11メディア: 文庫購入: 3人 ク…

新・堕落論/石原慎太郎

まあ想定の範囲内というか。福永武彦「草の花」を評価していて、ちょっと意外。福永武彦は学生の頃いくつか読んで、好きだったけれど、すっかり忘れている。 新・堕落論―我欲と天罰 (新潮新書)作者: 石原慎太郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2011/07メディ…

キャプテン・アメリカはなぜ死んだか/町山智浩

日本のメディアが伝えないアメリカの変な現実を拾ったコラム(本書前書から)。時事、映画、政治、東スポ的なネタなどなどを独自の視点で切り取っていて、刺激的。 キャプテン・アメリカはなぜ死んだか (文春文庫)作者: 町山 智浩出版社/メーカー: 文藝春秋…