HONMEMO

読書備忘録です。

エッセイ

家族最後の日/植本一子

著者は写真家。 第1部はモラハラの母親、第2部は割腹・飛び降り自殺をした義弟の話。第3部はステージ3の癌が分かって入退院を繰り返すラッパーの夫と小さな娘2人との暮らしの赤裸々な日記。 苦しいとき、母への憎しみとともに子どものように泣きつきたい衝…

おいしい日常/平松洋子

平松洋子は、山田詠美が選者のドゥマゴ文学賞受賞で知っていて(2006年か...)、今回本書はたまたま図書館で目立つところに紹介されていたので手に取った。 日本の普段の食卓には、和食とは異なる様々な味が参入して、ハレの気配が漂い、非日常が日常になって…

家めしこそ、最高のごちそうである。/佐々木俊尚

本書のテーマについては、いやまさに御同類ということで。半分kindleの使い勝手を試すために。 簡単、なのに美味い!家めしこそ、最高のごちそうである。 作者:佐々木俊尚 発売日: 2014/02/25 メディア: Kindle版

スペイン巡礼/渡辺孝

日銀から地方国立大教授、私大理事長を歴任した著者のスペイン巡礼記。スペイン巡礼に行こうという人には参考となるところもあろう。 スペイン巡礼 緑の大地を歩く 作者:渡辺 孝 発売日: 2019/04/24 メディア: 単行本(ソフトカバー)

横浜の時を旅する/山崎洋子

横浜の老舗ホテルニューグランドを通して見る人々と横浜の歴史。老舗ホテルといえば、帝国ホテル、ホテルオークラなどもあるが、ニューグランドの佇まい、その纏う雰囲気が一味違うように思えるのは、まさに横浜という町の歴史を背負っているからだ。 ドアマ…

ウィスコンシン渾身日記/白井青子

アメリカの田舎はなかなかいい。マディソンは州都だけど、アメリカの州都はだいたいこじんまりした田舎なんだよな。 ウィスコンシン渾身日記 作者: 白井青子 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2018/06/21 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る

子どもたちの階級闘争/ブレイディみかこ

英国は階級社会というのは知られるが、その格差は拡大、固定化し、ソーシャル・アパルトヘイト、ソーシャル・レイシズム、ソーシャル・クレンジングといった言葉が階級差別に関して使われるという。 労働党政権下の手厚い福祉政策によって、労働者階級の更に…

わたしの献立日記/沢村貞子

沢村貞子らしい食卓だ。食生活のひとつの理想の姿に私には思える。惣菜を買ってきて食べるより、丁寧に料理をして食べたい。忙しいと難しいところもあるが、沢村貞子にしても忙しくなかったわけでもない。結局、料理が楽しいと感じられるか、惣菜より美味し…

曇天記/堀江敏幸

堀江敏幸は、詩人のような細やかな感性とことば使いに触れたくて読む。通勤電車のストレスフルな環境で読むのは全く興ざめなのだが。 「東京人」連載(2008〜) 曇天記 作者: 堀江敏幸 出版社/メーカー: 都市出版 発売日: 2018/03/24 メディア: 単行本 この商…

コスパ飯/成毛眞

こだわりがすごい。 コスパ飯 (新潮新書) 作者: 成毛眞 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2017/04/15 メディア: 新書 この商品を含むブログ (1件) を見る

結論は出さなくていい/丸山俊一

結論は出さなくていい (光文社新書) 作者: 丸山俊一 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2017/12/14 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る

月日の残像/山田太一

何事も、割り切れない、捨てきれないわだかまりのようなものが残るもの。 そこに真実があるのだろう。 月日の残像 作者: 山田太一 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2013/12/20 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (8件) を見る

古寺巡礼/和辻哲郎

古寺巡礼 (岩波文庫) 作者: 和辻哲郎 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1979/03/16 メディア: 文庫 購入: 7人 クリック: 166回 この商品を含むブログ (49件) を見る

できそこないの男たち/福岡伸一

できそこないの男たち (光文社新書) 作者: 福岡伸一 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2008/10/20 メディア: 新書 購入: 18人 クリック: 152回 この商品を含むブログ (174件) を見る

世界の運命/ポール・ケネディ

世界の運命 - 激動の現代を読む (中公新書 2114) 作者: ポール・ケネディ,山口瑞彦 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2011/06/24 メディア: 新書 購入: 1人 クリック: 6回 この商品を含むブログ (9件) を見る

洟をたらした神/吉野せい

『口中に渋い後味だけしか残らないような固い木の実そっくりの魅力のないものでも、底辺に生き抜いた人間のしんじつの味、にじみ出ようとしているその微かな酸味の香りが仄かでいい、漂うていてくれたらと思います。』と記す、著者の生活の真実。洟をたらし…

美しき日本の残像/アレックス・カー

日本=電線、コンクリ、パチンコ屋美しき日本の残像 (朝日文庫)作者: アレックス・カー出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2000/09/14メディア: 文庫購入: 7人 クリック: 265回この商品を含むブログ (24件) を見る

そんな言い方ないだろう/梶原しげる

そんな言い方ないだろう(新潮新書)作者: 梶原しげる出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2012/05/04メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る

日々の非常口/アーサー・ビナード

日々の非常口 (新潮文庫)作者: アーサービナード,Arthur Binard出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2009/07/28メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 18回この商品を含むブログ (16件) を見る

御馳走帖/内田百閒

御馳走帖 (1979年) (中公文庫)作者: 内田百間出版社/メーカー: 中央公論社発売日: 1979/01メディア: 文庫この商品を含むブログを見る

その日の墨/篠田桃紅

その日の墨 (河出文庫)作者: 篠田桃紅出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2014/12/08メディア: 文庫この商品を含むブログを見る

英国一家日本を食べる/マイケル・ブース

英国一家、日本を食べる (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ)作者: マイケル・ブース,寺西のぶ子出版社/メーカー: 亜紀書房発売日: 2013/04/09メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (39件) を見る

カネ遣いという教養/藤原敬之

カネ遣いという教養 (新潮新書)作者: 藤原敬之出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2013/10/17メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る

酒のさかな/高橋みどり

酒のさかな (ちくま文庫)作者: 高橋みどり出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2014/11/10メディア: 文庫この商品を含むブログを見る

ルリボシカミキリの青/福岡伸一

ルリボシカミキリの青 福岡ハカセができるまで (文春文庫)作者: 福岡伸一出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2012/09/04メディア: 文庫 クリック: 2回この商品を含むブログ (9件) を見る

どくろ杯/金子光晴

放浪記3部作の第1作。次のねむれ巴里は、昔読んで、中身はすっかり忘れているけれど、独特の雰囲気を思い出した。なんという赤裸々な、露悪的というのとは違うのだが、こういうさらけ出し方が詩人なのか、とも思う。 中野孝次による解説から引用 「どくろ杯…

イケズの構造/入江敦彦

初対面に近い京都人がよそさんに1から4のようにコーヒーを勧めた場合の正しい応答はそれぞれ次のようになるらしい。 コーヒー飲まはりますか。→ただの挨拶なので、「へえ、おおきに」と言って頃合いをみて帰る。(コーヒーは出てこない。) そない急かんでもコ…

旅の途中/筑紫哲也

自らの回想録の代わりに、自分がこれまで出会ってきた人たちについて、自分の心象風景を含めて何かを書くことはできるかもしれない、ということで書かれたものであると。 安東仁兵衛にはじまり丸山眞男に終わるというのがなるほどの基軸になっているが、一方…

正弦曲線/堀江敏幸

堀江敏幸のエッセイといえば、回送電車シリーズがあるが、本書がそれに位置づけられていないのは、短い独立したエッセイを集めたものでありながら、正弦曲線というコンセプトでくくられているためということだろうか。 日々を生きるとは、体内のどこかに埋め…

国会議員の仕事/林芳正・津村啓介

いろいろな意味で対照的なポジションにある2人の国会議員による 議員になるまで 国会議員としての仕事と生活 閣僚など政権内での仕事 についてのエッセイ(短い対談付き)。それぞれになかなか面白い。 選挙制度、統治機構のあり方は、真剣に議論されるべきだ…