HONMEMO

読書備忘録です。

学術・教養

広重TOKYO/小池満紀子、池田芙美

A5サイズの比較的大きな、美しい図版で名所江戸百景が採録されているが、それでも、丁寧に解説されている雲母摺、空摺、布目摺、きめ出し、あてなぼかしといった技法は、はっきりとはわからない。 広重TOKYO 名所江戸百景 作者: 小池満紀子,池田芙美 出版社/…

幸福の増税論/井手英策

筆者は、2020年までの期間限定で政治をやるとして、旧民進党(前原誠司?)のブレーンとして活動もしているようだ。 本書の構想は興味深いのだが、日本人・社会の思考回路、心理構造を根底からひっくり返して、本書でいう頼りあえる社会を実現する道筋はなかな…

日本画とは何だったのか/古田亮

もう少し日本画に造詣が深いとより興味深く読めるのだろうが。 図版も結構多くて良いが、こういう本には索引が欲しい。 日本画とは何だったのか 近代日本画史論 (角川選書) 作者: 古田亮 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2018/01/26 メディア: 単行本 こ…

アドラー心理学入門/岸見一郎

アドラー心理学をもとにした処世術指南本といった趣 アドラー心理学入門―よりよい人間関係のために (ベスト新書) 作者: 岸見一郎 出版社/メーカー: ベストセラーズ 発売日: 1999/09/01 メディア: 新書 購入: 12人 クリック: 100回 この商品を含むブログ (31…

ポピュリズムとは何か/水島治郎

既存政党の政策が妥協の模索によって中庸によることによって選択肢を提供できなくなり、その中で、ポピュリズムは、置き去りにされたと感じる人々の声を吸い上げる。我が国で言えば、維新なのだが。 ポピュリズムとは何か - 民主主義の敵か、改革の希望か (…

未来をはじめる/宇野重規

豊島岡女子中高生に対する著者の政治思想・哲学+αに関する特別授業。加藤陽子の「それでも日本は戦争を選んだ」と同様の仕立てで、様々なジャンルでこのような取組が行われるといいと思う。 本書に物足りなさを感じるところもあるのだが、これは、本書がま…

定年後/楠木新

読む本がなくなって止むを得ず読んだみたいなものなので特に文句もないが、つまらない。 定年後 - 50歳からの生き方、終わり方 (中公新書) 作者: 楠木新 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2017/04/19 メディア: 新書 この商品を含むブログ (14件) を見…

現代社会はどこに向かうか/見田宗介

明るく、ポジティブな、人類社会の現状分析と未来予測。経済成長なき定常社会は、生の合理化=現在の空疎化という圧力から解放され、無数の至福が一斉に開花する高原であると。 「軸の時代」が定常期たる原始時代から爆発期たる近代社会への変節期であるとす…

科学者はなぜ神を信じるのか/三田一郎

本書で紹介される超一流の物理学者が神をなぜ信じるのかという考え方の道筋、折合いの付け方、あるいは神からの影響の受け方は、様々に興味深い。 著者は、科学法則の創造者が神であるとの考えであり、宇宙のはじまりを、科学法則を誰が作ったかを突き詰めて…

ドストエフスキー 父殺しの文学/亀山郁夫

比較的最近読んだカラマーゾフの兄弟などはまだなんとかなるのだが、各テキストの要旨なども記載されているものの、結構厄介だった。 ここまでのめり込むような謎解きの作業は、学者の領分だろうと、理解力の及ばぬところを棚に上げておく。 ドストエフスキ…

大恐慌を駆け抜けた男 高橋是清/松元崇

高橋是清の自伝というより、明治維新から太平洋戦争に至るまでの日本を、財政、金融、税制の面から見たもの。この時期の歴史を扱う本は多いが、このような切り口はとても興味深く、なるほどと思わせるところが沢山あった。 大恐慌を駆け抜けた男 高橋是清 作…

1941 決意なき開戦/堀田江理

日本における真珠湾までの政策決定過程を、英語で米国人向けに書いたものの翻訳。 勝ち目がないと分かっていた戦争に突入してしまった「決意なき開戦」の原因は、日本の統治機構(システム)の欠陥(独裁とは逆の無責任体制)だけでなく、近衛をはじめとする当時…

知の体力/永田和宏

知の体力 (新潮新書) 作者: 永田和宏 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2018/05/16 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る

大人のための社会科/井手英策・宇野重規・坂井豊貴・松沢裕作

社会科学のオルタナティブというにはお気軽にすぎるのでは? カバーを漫画にする意図はいずこにありや? 大人のための社会科 -- 未来を語るために作者: 井手英策,宇野重規,坂井豊貴,松沢裕作出版社/メーカー: 有斐閣発売日: 2017/09/01メディア: 単行本(ソ…

勉強の哲学/千葉雅也

勉強とは、保守的に生きてきた環境、コード(ノリ)を脱し(ノリが悪くなる)、新たな環境(ノリ)へ引っ越すこと。 環境のノリから自由になるための思考ツールとして、 -ツッコミ=アイロニー〜根拠を疑って真理を目指す -ボケ=ユーモア〜見方を多様化する がある…

競争社会の歩き方/大竹文雄

行動経済学の本は、何冊か読んでいるが、知っていることを繰り返し読んでも面白い。(すぐ忘れるからではある) 人間、意識していないとバイアスのかかった判断をしてしまう。その結果が個人の損得にとどまるときはよいけれど、政策判断などに影響が及ぶ場合は…

日本人は何を捨ててきたのか/鶴見俊輔・関川夏央

個人、一番病、桶 日本人は何を捨ててきたのか: 思想家・鶴見俊輔の肉声 (ちくま学芸文庫) 作者: 鶴見俊輔,関川夏央 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2015/10/07 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (7件) を見る

吉田神道の四百年/井上智勝

神道にも"流派?"があり、権力との関係で消長がある。 吉田神道の四百年 神と葵の近世史 (講談社選書メチエ) 作者: 井上智勝 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2013/01/11 メディア: 単行本(ソフトカバー) 購入: 1人 クリック: 16回 この商品を含むブログ (…

反共感論/ポール・ブルーム

(情動的)共感に基づく行動でなく、理性により、行動することが重要。 特に道徳的問題や公共政策の判断が共感によって行われると、そのスポットライト効果によって、歪んだ決定がなされることになりがちである。 誤読、批判の予防線を張る議論が多くて読みに…

平成デモクラシー史/清水真人

平成に入って小選挙区制が導入されて、衆院選は政権選択選挙との位置付けとなり、これを背景として、日本の政治システムは、首相主導、官邸主導の政治へと変貌を遂げてきた。その行き着く先がいわゆる安倍一強というところでもある。 平成の政治システム史が…

幕末気分/野口武彦

幕末気分 作者: 野口武彦 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2002/02 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (7件) を見る

アメリカ 暴力の世紀/ジョン・ダワー

アメリカ 暴力の世紀――第二次大戦以降の戦争とテロ 作者: ジョン・W.ダワー,田中利幸 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2017/11/15 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (5件) を見る

歴史をつかむ技法/山本博文

歴史をつかむ技法 (新潮新書) 作者: 山本博文 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2013/10/17 メディア: 新書 この商品を含むブログ (8件) を見る

残念和食にもワケがある/岩村暢子

愕然とした。 残念和食にもワケがある - 写真で見るニッポンの食卓の今 (単行本) 作者: 岩村暢子 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2017/10/18 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る

もうすぐやってくる尊皇攘夷思想のために/加藤典洋

- 明治期、尊皇攘夷思想は、尊皇開国思想への集団転向によって隠蔽された。1930年代の皇国思想の激発は地下に潜っていた幕末の尊皇攘夷思想の噴出であり、2010年代の「(安倍政権下の政治・社会的)後退」は、臭いものとしてフタをされた皇国思想の噴出である…

大衆の幻像/竹内洋

- 大衆の原像という吉本用語 - 「大衆」天皇制、大衆高圧釜社会、大衆御神輿ゲーム - 引き下げデモクラシーの常態化、劣情デモクラシー - 大衆迎合が自己目的化した超ポピュリズム - 受託者型代表から委託者型代表へ。政治家の非知性主義の蔓延 - 「政治的適…

「日本人」という病/河合隼雄

標題はやや的外れ。「私抜き」の自然科学の知の限界、「私の(一人称の)死」といった私との関係での宗教、神話の重要性。 「日本人」という病 (静山社文庫) 作者: 河合隼雄 出版社/メーカー: 静山社 発売日: 2009/11/05 メディア: 文庫 購入: 2人 クリック: 1…

「日本の伝統」の正体/藤井青銅

伝統というか、物事の起源を調べた本。 文体が趣味でない。 「日本の伝統」の正体 作者: 藤井青銅 出版社/メーカー: 柏書房 発売日: 2017/11/23 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見る

保守の真髄/西部邁

- 必要なのは、理想を内包する現実であり、現実に裏付けられた理想なのである。つまりここでも、理想と現実の間の平衡が要求されるのだ。その平衡に抽象名詞を与えてみれば、自由と秩序の平衡はバイタリティ(活力)、平等と格差の平衡はフェアネス(公正)、博…

ダ・ヴィンチ絵画の謎/斎藤泰弘

ダ・ヴィンチは地質学というか地球物理学で終末を探求していた。モナリザが隠す背景はそれを表す。 カラー版 - ダ・ヴィンチ絵画の謎 (中公新書) 作者: 斎藤泰弘 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2017/03/21 メディア: 新書 この商品を含むブログ (4…