HONMEMO

読書備忘録です。

「わからない」という方法/橋本治

 ソクラテス無知の知」のようなテツガク的な話か、それともハウツーものか、どんな本だろうと思いながら、それなりに売れた本だった記憶があってしばらく前にブックオフにて購入していたもの。橋本の本は、これまで、氏が多分気軽に書いた古典に関する本を一冊読んだことがあるだけなのだが、これがなかなか印象的で、気になる作家になっていた(「桃尻娘」とか「桃尻語訳枕草子」とか題名は知っていたが、ちょいと誤解していた。昨日「桃尻語訳枕草子」を購入)。
 この本は、形而上学的な話でもなくハウツー本でもなく、氏の思考方法なり、仕事の仕方を語るもの。これを読んで役に立つなどということは(私には)ないが、氏のように何事も経験に基づいて思考し、「身体が頭がいい」人の書いた本は、信頼に値するものだと思う。
 最近のベストセラー「上司は思いつきでものを言う (集英社新書)」ってのは、タイトルを見ただけで買う気が全く起こらないのだけれど、どんな本なんだろ・・・橋本のことだから、その辺のビジネス本と同じだとは思わないが。これだけ売れたら105円でブックオフで買えるだろうから、見つけたら読もうかなって感じ。
 「身体が頭がいい」というのはやはり才能で、なんか嫉妬してしまう。嫉妬してしかるべき程努力もしていないにせよ。

「わからない」という方法 (集英社新書)

「わからない」という方法 (集英社新書)