趣味は読書。/斎藤美奈子

　斎藤が本書で取り上げている40数冊の本のうち私が読んでいた本は2冊だけで*1、まさに氏の言う「邪悪な読者」であろう私は、死ぬまでに読める本が何冊あるのかと考えれば、その手の下らないベストセラー本なんぞ読むものかと思う方なので（でも気になるんだよなぁ）、こういう本は大層ありがたい・・・っていうんではなくて、ベストセラー本の構造をくっきり示してくれて爽快。氏の語り口がまた、痛快また爆笑もの。
　シュリンク「朗読者 (新潮文庫)」を積んであるんだけど、この本に斎藤が貼ったレッテルが「××文学」だもんな（はっきり書けんぞ私には）。何だか萎えて読む気力がなくなる。宮部みゆき「模倣犯」は文庫化待ちの身の上ゆえ、ネタバレとあったので、涙を飲んでその部分を読まなかったのだが、気になって仕方ないじゃんか、早く文庫化しろー。「ぼんくら」をやっと買ったからまあいいか。
　だいたい単行本は、場所をとる、満員電車で読みにくい、高いってことから、滅多に買わないのだが、斎藤美奈子の単行本を本書を含めて3冊（ついでに文庫本も1冊）まとめ買いしてしまった。なぜか一番読みたい「文章読本さん江」だけがめっからない・・・。怒涛のように斎藤美奈子を読むぞ・・・ってナンジャラホイではある。