透明感あふれる文体と惹句にあるのだが、現実感のない(フィクションが持つべきリアリティがないという意味ではなくて)フワフワした文体という感じ。村上春樹の影響が言われるようだが、村上の文体は、鼠とか羊男とかが出てきちゃうような幻想的というか寓話的な作りに相応しいもので、本書では、村上風にみえてしまうところが、何か気障ったらしく思え、あるいはピンと来ない。嫌いじゃないのだけれど、何だかスカッとしないなぁ。
- 作者: 大崎善生
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2004/03/25
- メディア: 文庫
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