名誉棋聖藤沢秀行の自伝(みたいなもの)。飲む・打つ・買うの三拍子揃った(?)無頼漢としてつとに有名だが、本物のアル中、月20日の競輪場プラス競馬場通い、「中野さん」「江古田さん」という女性との間に子供が4人(?)ってのは凄すぎる。それでいて、というか、それだからこそなのだろうが、「藤沢にしか打てない一着」を打つカリスマ性のある棋士だったと思う(私はその一着の意味を真に理解できるほどの棋力はないが)。
この本は、巻末に「構成:矢部純一」とあるので、たぶん、矢部という人が、藤沢へのインタビューをもとに書いたのだろうと想像する。この本に物すごく違和感を感じ、また、安っぽく思えてしまうのは、これが藤沢自身の言葉で語られている訳でもなく、また、矢部の言葉で綴られている訳でもないからだろう。これほど面白い素材はなかなかないのだから(失礼)、誰か真っ当なノンフィクションにしないかなぁ。あるいは、TVでドキュメンタリーにしてくれないかな。
この本は安直過ぎ(新潮新書ってこんなのが多いような気がする。しかも字数に対して価格が高くないか?)。確かちょっと前に藤沢の奥さんが書いた本が話題になってたように思うのだが、そっちはどうなのかな。
- 作者: 藤沢秀行
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/04/15
- メディア: 新書
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