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読書備忘録です。

一九三四年冬−乱歩/久世光彦

 作家として行き詰まりを感じていた江戸川乱歩を主人公とした幻想的な小説。井上ひさしの解説以上に言うことなし。乱歩ファンにはたまらないだろう。作中作「梔子姫」は乱歩以上に乱歩らしいとカバー裏にあるが、まさにそんな感じ。乱歩は、随分前に文庫で「江戸川乱歩傑作選 (新潮文庫)」を読んだことがあるくらいだが、雰囲気は覚えているけれど、具体的にはすっかり忘れている。そのことの方が余程恐ろしい。山本周五郎賞受賞作。

一九三四年冬―乱歩 (新潮文庫)

一九三四年冬―乱歩 (新潮文庫)