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読書備忘録です。

パーク・ライフ/吉田修一

 臓器を納めた人体のイメージが散りばめられる(日比谷公園も臓器で構成される人体に見立てられる)。といって、ホラー味があるわけでなく、カラッと乾いた雰囲気。そんな中で、主人公とスタバ女と、主人公と友人夫婦と、あるいは友人の夫婦関係自体の微妙な関係、距離感が落ち着かない新鮮な印象を与える。芥川賞受賞作。
 「flowers」を併録。こちらはじっとり暑苦しい雰囲気。シャワーと墓地に降る雨と花が幻想的に描写される最終盤のシャワー室のシーンは圧巻。

パーク・ライフ (文春文庫)

パーク・ライフ (文春文庫)