HONMEMO

読書備忘録です。

青空のルーレット/辻内智貴

 こういう小説に素直に感動できないというのはある意味悲しいことかもしれない。
 「夢を見るから人間なんだ!」みたいなセリフは、クサッとは思うけど、まあいいだろう。でも、萩原の「人生は・・・」って長ゼリフは、クサイを通り越して吐き気を催させる。(併録されている太宰治賞受賞「多輝子ちゃん」では、地の文で「人生は・・・」なんてのが出てくる。)それから、悪人奥田の造形や終盤の詐欺まがい事件の顛末は、あまりにステロタイプ。「飛び出せ青春!」じゃないんだからサ・・・。
 いいお話ではあるけれど、私にはついていけません。

青空のルーレット (光文社文庫)

青空のルーレット (光文社文庫)