帯の城山三郎の推薦文にあるとおり、白洲次郎が持つ「不思議な存在感」が良く伝わってくる。うるさ型を好むうるさ型の信念の人だったようだ。英国風ダンディズムとともに明治の人間の気骨みたいなものを感じさせる。
白洲次郎と関係のないエピソードがいろいろと展開されたり(それはそれで面白いところもある)、思い入れが入りすぎかなと思わせるところもあるけれど、文章の素人が書いたにしては、読みやすく、なかなか良い本だった。
それ程大きくない書店で平積みされていたのだが、無名の証券マン(大学の客員教授などもしているようだ)の作品でありながら、大講談社が城山三郎の帯をつけて出版するということ自体、この本の水準を物語っていると言えるかもしれないし、あるいは白洲次郎という人間の魅力、人気の所以なのかもしれない。(正子人気ってことかもしれないけど。)
カバー表紙は、妻白洲正子に送った氏のポートレイトということだが、白洲正子にはもったいないほどのイイ男・・・失言。
- 作者: 北康利
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/07/22
- メディア: 単行本
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それにしても新刊の単行本って久しぶりに買った。何年ぶりだろう。