HONMEMO

読書備忘録です。

アースダイバー/中沢新一

 東京の縄文地図をもとにして中沢が紡ぐイメージ、幻想、妄想(?)が楽しい。怪物としての金魚なんていうのも、う〜むなるほどなぁと思ったサ。
 最終章「森番の天皇 皇居」もまた面白い。

女性天皇の誕生をもって、・・・南方的・縄文的な双系原理が皇室の中によみがえり、都心の森に住んでいることが・・・新しい「森の天皇」の生き方を象徴するものとなる。
・・・21世紀の天皇制は、単一文化と経済主義を特徴とするグローバリズムにたいする強力な解毒剤としての存在を、世界にむかってアピールしなければならない。
・・・僕は夢想する。・・・おだやかな森番のようにして生きる天皇が、ある日次のようにして世界に向かって発信するのである。「私達の文明は、キノコのように粘菌のように、グローバル文明の造りだすものを分解し、自然に戻していくことをめざしている、多少風変わりな文明です、そしてわたしはそういう国民の意思の象徴なのです」。

アースダイバー

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