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読書備忘録です。

乱世を生きる 市場原理は嘘かもしれない/橋本治

 集英社新書3部作の完結篇(らしきもの)。う〜ん。途中でlostしちゃった感じだな。読み返せばもう少し理解も深まるのだろうけど。
 今の経済には一つの方向すなわち「利潤を得る」しかない。しかし、経済というのは(バレンタインのチョコレートで分るように)「物や金の循環」と連動して「生きることが幸福でありたい」という感情が回っていると言うことがその本質ではないか、すなわち経済は利潤追求という一方向だけでなく、幸福追求の方策の一つであっていいというあたり、当たり前かもしれないが、う〜むと唸る。また、物づくりで利潤を得る世界経済は飽和してしまっていて、欲望というフロンティアを開く=投資しかなくなったのだが、その投資先は・・・?「もう世界の経済は壁にぶつかっているから、経済を考えることに意味はない」「世界経済は、もう「限界の中」で動いているのです。「必要」を超えた「欲望」だけが、これを動かせるのです」――パーツはなるほどと思っても全体としてもう一つ自分のものにできていないな。

乱世を生きる ―市場原理は嘘かもしれない (集英社新書)

乱世を生きる ―市場原理は嘘かもしれない (集英社新書)