著者の筆がセンチメンタルに思えてもう一つだったが、永平寺の修行の模様を知るという点ではなかなか面白かった。むしろこの点に特化してディテールをもっと盛り込んで欲しかった。
新米雲水に対する古参の暴力は、旧日本軍の新兵教育を髣髴とさせるものがある。新興宗教が修行と称して引き起こす暴力沙汰などとも引き比べて、「修行」というものが何なのかを考えてみるのもいいかもしれない。
- 作者: 野々村馨
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2001/07/30
- メディア: 文庫
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