饒舌調の文章にのせられてわははと笑いつつ、形而下の顔は形而上の文(心)に規定されるってなお話とか、まあそりゃそうだわなではあるのだが、それでもなかなか面白く読む。ちょっと話がいろいろ拡散しすぎな気もするが。
文学者の顔と文についての話がやはりなかなか面白い。乙川優三郎など、顔との関係というより「書評」として面白いものもある(渡辺淳一なんかは、ただのスケベと叩いて、ついでに顔の話をしている感じ)。一方、村上春樹(丸顔の寺尾聡らしい)なども例にあげて、文学者は、いわばその作品が「顔」であるがゆえに、自分の顔に執着をしていないようにみえるとか。
教訓話風でもあるのだけれど、著者の話術で楽しく読める。見た目話ということで言えば、最近読んだ竹内一郎「人は見た目が9割」*1よりは百倍面白い。
- 作者: 勢古浩爾
- 出版社/メーカー: 洋泉社
- 発売日: 2005/12
- メディア: 新書
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