長編小説の魅力を満喫した。ただ「本格小説」ってタイトルはいただけないし、損だと思う*1。
この小説はブロンテ「嵐が丘」へのオマージュというところがあるらしいのだけれど、私は「嵐が丘」を読んでいないのでよく分らない。ただ、谷崎潤一郎「細雪」とか、マーガレット・ミッチェル「風と共に去りぬ」とか、北杜夫「楡家の人々」とか、そういった長編小説のもつ香りを楽しむことができる(誉めすぎ?)。金持ち、勝ち組はあっても、貴族的なものが崩壊した現代においては、こういう小説は時代小説のように読まれるしかないのかもしれないと思ったりもする。
- 作者: 水村美苗
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/11/27
- メディア: 文庫
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