デビュー作「神様」を含む掌小説9編。先頃亡くなった久世光彦が選考委員の時のドゥマゴ文学賞*1受賞。久世光彦の選評はこちら。「春立つ」のカナエさんがくるくるまるめられたりするところで、久世の「一九三四年冬―乱歩」の梔子姫を思い出した・・・ちとずれてるか。
宮本輝は、川上弘美の芥川賞受賞に際して、「しょせん寓話」「評価しない」と切り捨てたらしい*2。「蛇を踏む」までしょせん寓話と言われてしまうのは相当きついんじゃないかと思うけれど*3、本書に含まれる短編の中には(「しょせん寓話」という言い方が当たるのかどうかはよく分らないけれど)、ちょっとメルヘンメルヘンしすぎてるかなと思ってしまうものもある。
- 作者: 川上弘美
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2001/10
- メディア: 文庫
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