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読書備忘録です。

幻獣ムベンベを追え/高野秀行

 20年程前、アフリカ奥地に棲むというネッシーのような怪獣ムベンベを追った早大探検部のリーダーによる探検記。怪獣を追うという非科学的というか子供じみたところがまさに「探検」で、若さ爆発が羨ましくも思え、また余りの無謀さに呆れもする。田村がマラリアで死んでいたら、これはやはり彼の「自己責任」では済まない問題ではないかと思う。その辺り著者の反省の弁もあるのだが、なんだか非常に無責任な感じがして興を削がれた。全体としてワクワク楽しめる本ではあるのだが、もっと遊びと割り切ればいいのにと思う。夢を追う探検でいいじゃないか。科学的調査であろうとするようなところが中途半端で胡散臭く思え、椎名誠の作品のような爽快感に欠ける。解説はなんと宮部みゆき

幻獣ムベンベを追え (集英社文庫)

幻獣ムベンベを追え (集英社文庫)


540円@都心の本屋さん