HONMEMO

読書備忘録です。

わたしたちが孤児だったころ/カズオ・イシグロ

 端正な文章だなという感じがする(翻訳だけど)。パーティー受付でのサラとクリストファーのやりとりから始まって、場面、場面がとても鮮やかだ。クリストファーが突き止めた父母失踪の真実は・・・ネタバレになってもいけないので、やめておく。そしてアキラは・・・私は途中クリストファーの妄想ではないのかと思って読んだのだが。近著「わたしを離さないで」も好評のようだし、この作者の本はこれからいろいろ読みたい。
 余談ながら、感情をそのまま吐露するのを抑えようとする英国上流階級の嗜み(みたいなもの)は騎士道精神の表われだろうか。武士道の心に通じるように思われる。

わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)

わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)


987円@都心の本屋さん