端正な文章だなという感じがする(翻訳だけど)。パーティー受付でのサラとクリストファーのやりとりから始まって、場面、場面がとても鮮やかだ。クリストファーが突き止めた父母失踪の真実は・・・ネタバレになってもいけないので、やめておく。そしてアキラは・・・私は途中クリストファーの妄想ではないのかと思って読んだのだが。近著「わたしを離さないで」も好評のようだし、この作者の本はこれからいろいろ読みたい。
余談ながら、感情をそのまま吐露するのを抑えようとする英国上流階級の嗜み(みたいなもの)は騎士道精神の表われだろうか。武士道の心に通じるように思われる。
- 作者: カズオイシグロ,Kazuo Ishiguro,入江真佐子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2006/03
- メディア: 文庫
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