HONMEMO

読書備忘録です。

ロックンロールミシン/鈴木清剛

サラリーマン2年生の主人公は、会社を辞めて、何やらすごくいい加減なのだけれど、「やりたいことをやるんだ」という意欲に溢れている高校の同級生たちのデザイナーズブランドの立上げ、展示会出品準備を手伝う。結局それは挫折することになるのだけれど、最後まで物語りはとても前向き、爽やかで、気持ちがいい。
三島由紀夫賞受賞。三島賞にしてはなんか物足りないというか、最近の受賞作とは傾向がちょっと違うなと思って調べてみたら、このころの新潮社のサイトには選考委員の選評が載っていて面白かった(→第12回三島賞のサイト)。本作は、石原慎太郎と青野聡が積極的に推したようだ。なお、宮本輝が毎年のようにぶーたれた評を書いているのが可哀想というか愉快というか。
なお、本作を映画化したらしい行定勲による自己愛過剰の解説代わりの文章付き。

ロックンロールミシン (新潮文庫)

ロックンロールミシン (新潮文庫)


105円@ブックオフ