長い長いローマ人の物語も完結するようだが、私は文庫でゆっくり読んでいて、今全体の真ん中くらいかな。初代皇帝アウグストゥスの後を襲う4人の皇帝の時代。
- ティベリウス:市民の人気取り的な政策を行わず、後年はカプリに隠遁するなど、元老院からも市民からも不人気だったが,塩野は帝政を磐石なものとしたと評価している。
- カリグラ:ティベリウスとは逆に人気取りに溺れて財政を破綻させ、暗殺される。4年ほどの短い治世。四半世紀前に「カリギュラ」というポルノ映画(?)が話題となったけれど、塩野は、カリグラはそのようなモンスターではなかったとし、政治を全くわかっていない若者が政治をせざるを得ない立場に就いたことが帝国の不幸であったとする。
- クラウディウス:皇帝になどなるはずのなかった歴史家皇帝。まずまず堅実に政治をするも息子ネロを介して帝国を動かそうという野望をもつ妻アグリッピーナに毒殺される。
- ネロ:母を殺し、ローマ大火にかこつけてキリスト教徒を迫害、暴君ネロなどといわれる。塩野は、ネロ一人がキリスト教徒の敵であるとされるのは公平を欠く気がしないでもないが、後のキリスト教徒大迫害の先鞭をつけたことは間違いないと評する。歌が好きで歌手として歌合戦(?)に優勝して凱旋式を行うといったトンチンカンで、補佐官セネカ、ベテラン司令官を死に追いやる等の愚挙を行い,最後は自らも自殺に追い込まれる。
- 作者: 塩野七生
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/08
- メディア: 文庫
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