HONMEMO

読書備忘録です。

WEB2.0と著作権

梅田望夫ウェブ進化論を読んでいて一番良く分らなかったというか、難しいなと思ったのが、著作権との関係だ。グーグル・ブックサーチに関する出版社側とグーグルの対立の例をあげた上で、著者は、

「総表現者社会の到来」とは、著作権に鈍感な人の大量参入(ブログの書き手やグーグルのようなサービスの提供者の両方)を意味する。新規参入者の大半は、表現それ自体によって生計を立てる気がない。…(中略)…そして総表現者社会のサービス提供者とは、「表現そのものの製作によってではなく、表現されたコンテンツの加工・整理・配信を事業化する」人たちで、既存の著作権の仕組みを拡大解釈するか、新しい時代に合わせて改善すべきだと考える。WEB2.0はそういう方向性を技術面からさらに後押しするものだ。

と述べているのだが、実際どうあるべきなのか。
去る5日の「NHK、日本民間放送連盟ら23の団体・事業者は、動画投稿サイトYouTubeに対し、著作権侵害行為の事前防止策を要請した」との記事*1等がある一方、はてなのブログをみていると、著作権法上アウトと思われるものが極めて多い。可罰的違法性があるかどうかとか親告罪であるからとかいうこととは別として、ブロガーが、あっけらかんと堂々と著作権侵害を行っているのは、梅田本の分析のとおり、彼らが著作権に鈍感であるとともに、著作権の仕組みを拡大解釈し、変革しようというWEB2.0関係業者と同様の立場にあるからだろう。
でもなぁ、みんなで渡れば怖くないってなことで、違法であるのに何が悪いのかと開き直るようなことは、私はしたくない。
著作権にセンシティヴであってしかるべき立場の平野啓一郎が、youtubeとTVに関する暢気な記事を書いているのに触発されて、思う所を書いてみた。http://d.hatena.ne.jp/keiichirohirano/20061206/1165423427

*1:http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2006/12/05/14134.htmlも同じ。