表題作のほか、「会計士」、「バートルシャーグとセレレム」、「傷心の街」という3つの中篇を収める。いずれも、普通の人の人生におけるちょっとした(と言ってしまうにはやや大変な)エピソードを丁寧に書いていて好ましい。でも表題作はなんで宮殿泥棒というタイトルなのかサッパリ分らない。どこか読み飛ばしたかな?柴田元幸訳。
自分がマーガレットに感じているのは恋ではなくて、恋の記憶の復元にすぎないのかもしれないという気がした。…(略)…ブレントはもう二度と家で夏を過ごすつもりはないのだ。だからこそ父親をマーガレットに引き合わせたのだ。それは一種の弔辞だったのだ。(「傷心の街」)
表題作は映画化されているらしいが、映画にするとどうだろうか。
- 作者: イーサンケイニン,Ethan Canin,柴田元幸
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2003/03
- メディア: 文庫
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