幕末の水戸藩の下級武士の家に生まれ、育った著者の母の日常の暮らしが活き活きと描かれていてなかなか興味深い。解説に添えられている写真がこれぞ「武家の女性」という感じのキリッとした姿で、素晴らしい(一方、一緒に写っている著者は…解説者芳賀徹の「天真爛漫、天衣無縫」という評がムフフフ……)。
藤原正彦が読売の記事で、「封建制度のもと、女性は虐げられていた、という俗説を考え直させてくれる。」と書いているのだが、「尼将軍」と呼ばれ、家中で独裁者のように振舞うなかなか凄い女性が描かれていたりもするけれど、「女大学」を引いて解説される「七去三従」の掟とか、むしろ当時の女性は大変だったなあという感想の方を余程強く持つ。
幕末の動乱の中で、牢屋の中で子供が生き延びるわずかな可能性に備えて論語を教える母や切腹した夫の首をかこうとする男を遮って「まずは私からご成敗願いましょう」と言う妻などの凛とした姿に打たれる。
<以下12/16追記>
山川菊栄って山川均の奥さんだったのかあ。山川菊栄 - Wikipedia
若かりし時の写真も発見。結構美人。エラー404 お探しのページは存在しません。 - 神奈川県ホームページ
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