以前糸井重里と川上弘美との対談で糸井が紹介していたのでチェックしていた本なのだが、映画化されることを予告編で知ったこともあって、読んでみた。
どんな匂いも嗅ぎ分ける究極の鼻を持つ、自らは体臭を持たない男グルヌイユの異常な一代記。香水の調合師として数々のとびきりの香水を作るが、さらに究極の芳香を求めて処女を次々と殺してゆく。そしてラスト……さすがにこのネタばらしは差し控えるが、まあ相当にえげつない。着想、構想は面白いし、香水についての細部も興味深いけれど、ストーリー展開に腑に落ちないところもいろいろあって、全体としてはもう一つ。
訳者池内紀は、あとがきで映画化に関して、「主役にあたる“匂い”をどうやって表現するのだろう。(中略)やはり映像よりも、活字を通しての想像にこそふさわしい。」と書いているが、その点もさることながらラストはどうするのだろう*1。
映画「パフューム−ある人殺しの物語」公式ベージ
- 作者: パトリックジュースキント,Patrick S¨uskind,池内紀
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2003/06
- メディア: 文庫
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400円@ブックオフ
*1:いろいろ手法はあるのだろうけれど。