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読書備忘録です。

三島賞・山本賞発表

三島由紀夫賞は、佐藤友哉「1000の小説とバックベアード」、山本周五郎賞は、恩田陸「中庭の出来事」と森見登美彦「夜は短し歩けよ乙女」と発表。asahi.com:第20回三島由紀夫賞・山本周五郎賞決まる - 出版ニュース - BOOK
三島賞は、佐藤の受賞を推したのは福田和也and/or島田雅彦かな?宮本輝は、またぐずぐず言ってそうな気がする。受賞作を読んでもいないので全くいい加減な推測だけれど。選評が楽しみだなあ。
かつてのテルちゃんの選評↓。

(第16回の選評「お子様相手」から抜粋)
舞城王太郎氏の「阿修羅ガール」の受賞に反対したのは私ひとりだった。(略)
下品で不潔な文章と会話がだらだらつづき、ときおり大きな字体のページがあらわれる。(略)幼稚に暴れているパフォーマンス、もしくは無邪気な媚としか思えないのである。
(略)
いったい何人のおとなが「阿修羅ガール」を最後まで読めるだろうか。
舞城氏のなかには、何か形にならない大きなエネルギーがくんずほぐれつなままとぐろを巻いている。(略)そのようなエネルギーは、まだ人さまにお見せできるものではない、というのが私の意見である。お子さま相手に小さなマーケティングを始めてしまったら、せっかくの大きなエネルギーが泣くではないか。

(第14回の選評「幼児性」から抜粋 )
中原昌也氏の「あらゆる場所に花束が……」は、島田委員と福田委員が推した。私には推せる作品ではなかった。
…(略)十六、七の子供ではあるまいし、三十歳の作者が自分の小説の眼目に、いまどき使い古された理由も対象もないただの怒りを設定し、フラグメントの重ね合わせで無用に長い作品に仕立てあげたこと自体、私は幼稚だと感じた。
(略)
それにしても、この幼児性は何なのか。日本の青年たちの、あるいは日本という国全体の幼児性へのメタファだと好意的に解釈すれば、「あらゆる場所に花束が……」という小説にも意味があるというわけだ。

これまでの周五郎賞受賞作(あるいは受賞作家)は好きな作家が多いのだけれど、今回はちょい軽量級かな(スゴい失礼)。恩田陸は好きな方だけど。