HONMEMO

読書備忘録です。

手仕事の日本/柳宗悦

民藝運動の創始者柳宗悦が、昭和10年頃全国を訪ねて、手仕事、手工芸品を紹介したもの。すでにその頃、機械化に押されて危機に瀕していたものも多いが、現在どれだけのものが残っているのだろうか。
具体的な地域の手工芸品の紹介については、地図、索引があって後に調べるのに便利になっているけれど、総花的に過ぎて私のような素人には物足りない。芹沢けい介による小間絵が素晴らしいのだが、文章と一対一の対応になっていないのももどかしく感じる。
先頃、駒場にある日本民藝館を初めて訪ねたが、展示品はあまり多くなく、ちょっと期待はずれだった。収蔵品はもっといろいろあるのだろうか。
無名の人々による実用の品々の中にある質実な「健康の美」を見出そうとする柳宗悦の美学も簡潔にまとめられている。

手仕事の日本 (岩波文庫)

手仕事の日本 (岩波文庫)


350円@BO