法律を学ぶ者にとっての必読の書とされるのだろうが、一般人にとっても教養書として面白く読める一冊だ。学生の頃読んだと思うが、すっかり忘れている。
日本人は権利意識に乏しいとか、権利義務を明確・詳細に書き込むことを好まない等の契約に関する法意識とか、裁判で白黒つけるよりは調停を好むとか、まあ比較的常識的に知られている事柄ではあるけれども、輸入した西洋近代法としての法体系と前近代的な法意識とのズレについての考察などが、簡潔に整理されている。
旧憲法下では、消防車が人を轢いても国家権力の作用であるとして損害賠償請求は認められなかったとか、引き合いに出される判例、エピソードも興味深いものがある。
- 作者: 川島武宜
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1967/05/20
- メディア: 新書
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