「マークスの山」以来の高村薫。野田達夫はなぜ人を殺したのか、その不条理は熱処理工場のリアリティに支えられている。合田と野田、あるいは合田と美保子の関係の訳の分らなさのリアリティがまた凄い。
それでも、高村薫は、合田刑事ものより、「黄金を抱いて翔べ」「神の火」「李欧」みたいな謀略小説というか何というか、スケールの大きい初期の作品の方がいいなと思ったけれど。
- 作者: 高村薫
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/08/12
- メディア: 文庫
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