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読書備忘録です。

14歳からの哲学/池田晶子

14歳に語りかけるような文体が気持ち悪い。この文体が嫌で投げ出す中学生が結構いそうな気がする。
難解な部分もあるけれど、少なくとも哲学的思考というものがどういうものかということは良く分かる。例えば、こんな感じ。

…目の前に花があることの確実さを疑うことから始まって、肉体や脳、全宇宙があることの確実さをも疑うことができるというところまで、考えを辿ってきた。普通、科学はここまで考えることをしない。科学は、物質が「ある」、物質が物質として「ある」ということを疑わないことを前提として成立しているものだから、それを疑い始めたら、科学は成立しなくなってしまうからだ。でも、自然の不思議、宇宙の謎を本当に知りたいと願うのだったら、そもそもその物質が「ある」とはどういうことなのかということを、疑わざるを得なくなるはずだ。でも、疑うからといって、物質など「ない」というのでもない。…… (宇宙と科学)

14歳からの哲学 考えるための教科書

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