HONMEMO

読書備忘録です。

大仏破壊/高木徹

ビンラディン/アルカイダが、勧善懲悪省なんてのを通じて無知無教養の*1オマル/タリバンを変質させ、バーミヤンの大仏を爆破するに至る過程が興味深いし、この地域の問題を考えるに当たって示唆するところが多々ある。
アフガニスタンの内紛状態は、9.11テロ後、タリバンが崩壊して新政権が樹立されたのちも結局何も変わっていない状態に等しいようだ。アルカイダなどのイスラム過激派テロ組織も、パキスタンなどにも拡散している状況のようだし。そんな中で、テロ対策特別措置法の延長問題なんてのは、対米問題ではあっても、アフガニスタン、パキスタン、イラクといった地域の問題の本質とはほとんど関係ない問題で(たぶん)、あるとすれば、これを契機にこの地域への日本の関与のあり方を少しは真面目に考えてみるきっかけにするということかもしれない。
本書も、近藤史人「藤田嗣治「異邦人」の生涯」と同様、NHKスペシャルのいわばスピンオフ(とは言わないか)が大宅壮一ノンフィクション賞をとったもののようだ。TVも見たような気はするが。

大仏破壊―ビンラディン、9・11へのプレリュード (文春文庫)

大仏破壊―ビンラディン、9・11へのプレリュード (文春文庫)


400円@BO

*1:というより、井の中の蛙の純朴なと言うべきか。