日本の政治制度を分析した著作として、真っ当な、優れたものの一つだと思う。分かり易くコンパクトにまとまっているし。
日本では一般に、大統領では大胆な権力行使ができるが、議院内閣制では抑制的な権力行使しかできないと思われている。しかし欧米での認識は逆である。
議会と大統領が別の選挙で選ばれ、権力が厳然と分立する大統領制における大統領より、議会と行政の双方をコントロールできる内閣の長である首相の方が、本来、大きな権力をもつのである。
なるほどそうだ。で、なぜ日本でそのような認識が持たれるようなこととなったのか。「官僚内閣制」「省庁代表制」といった聞き慣れない造語の適否はともかく、官僚、政治家、政党、制度等々幅広い観点から分析されていて、目から鱗というのではないにせよ、参議院のあるべき姿とか、いろいろと気づかされるところが多かった。
くだらないTVなんぞに出てないで、よい仕事をもっと!
- 作者: 飯尾潤
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2007/07
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