巨星と目されるような日本の作家は、結構読んできているつもりだけれど*1、読んでない作家もまだまだいるのだよな。大江健三郎も読んでないし(うへ)。
今日は、古井由吉を初めて読む。現役作家の中で今一番エライというイメージ*2を勝手に持っているのだが、文学の醍醐味を味わったという満足感のある一冊だった(私なんかにホントに分かっているのかという問題はあるのだが)。
神経症の女子大生杳子と、やはりノイローゼの経験のある彼(S)が谷底で不思議な出会いをしてから、夕映えの杳子の部屋で、杳子が「ああ、美しい。今があたしの頂点みたい」とつぶやくラストまで、ヒリヒリするような関係がすごくリアルだ。
- 作者: 古井由吉
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1979/12
- メディア: 文庫
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