新潮文庫が月に2冊づつ「人生で二度読む本」として、(いわゆる)名著を復刊させているのは、とても良い(ありがたい)企画だと思う。その一冊。
個性とは。自由とは。死とは。全体、必然、宿命とは…。劇、演戯、祭司…。
坪内祐三、佐伯彰一が引用している部分を再掲。
自由ということ、そのことにまちがいがあるのではないか。自由とは、所詮、奴隷の思想ではないか。私はそう考える。自由によって、ひとはけっして幸福になりえない。自由というようなものが、ひとたび人の心を領するようになると、かれは際限もなくその道を歩みはじめる。
自己の自然のままにふるまい、個性を伸張せしめること、それが大事だという。が、かれらはめいめいの個性を自然のままに生かしているのだろうか。かれらはたんに「青春の個性」というありきたりの役割を演じているのではないか。
- 作者: 福田恆存
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1960/08/22
- メディア: 文庫
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