三島賞をとったということのようなので、出世作ということでしょうか?この本は、「河岸忘日抄」の系譜の、エッセイだか、小説だか、評論だか、なんだろという不思議な堀江敏幸独特のもの。この人の文章は、ラストがいい。表題作「おぱらばん」の卓球のシーンは、「雪沼とその周辺」所収の「スタンス・ドット」ラストのボーリングの意匠にそっくりだ。「のぼりととスナフキン」「ボトルシップを燃やす」「音の環」「洋梨を盗んだ少女」などのラストも印象的。
- 作者: 堀江敏幸
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2009/03/02
- メディア: 文庫
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