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読書備忘録です。

超・格差社会アメリカの真実/小林由美

評判は聞いていましたが、「格差」ブームに乗った内容のない本ではないかと思っていました。文庫化されたこともあって手に取りましたが、米国の政治・経済・社会について理解する上で重要な事柄を多角的に分析し、わかりやすく、かつコンパクトにまとめている良い本だと思います。
米国の格差は、日本と異なる「資産」の格差であって、それがどのように形成されててきたのか*1。その格差を固定するような社会的、制度的な仕組みが存在する中で、なぜ政治問題化しないのか。一方で、アメリカが心地よい社会と感じられるのはなぜなのか。日本の今後についても示唆するところが多々あります。

超・格差社会アメリカの真実 (文春文庫)

超・格差社会アメリカの真実 (文春文庫)


400円@BO

*1:給与税Payroll Taxのことは、全く知らず、私にとっては衝撃的でした。なので、その論旨にはちょっと眉につばをつけているのですが。