吉展ちゃん事件に取材した作品です。
ディテールの書きこみ方が素晴らしく、どんな警察小説よりも面白いです。
被害者サイドよりも、貧困の中で障害を持って育った犯人小原保の心情に寄り添う書き方になっていると言えると思いますが、本書は「被害者」対「加害者」という捉え方ではなくて、小原保という人間とその時代背景を書いた物語と読んでいいのではないかと思います。
- 作者: 本田靖春
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2005/10/05
- メディア: 文庫
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