HONMEMO

読書備忘録です。

もののはずみ/堀江敏幸

パリの古道具屋などで出会った小物にまつわるエッセイです。2ページほどの短い文章が小さな写真とともに50ほど。
「もののはずみ」というタイトルは、ちょっとしたしゃれなのでしょうけれど、著者は、『ひとつの「もの」にあれやこれやと情をかけ、過度にならない程度に慈しむことで、なにか身体ぜんたいをはずませ、ひいては心をもはずませること』を「もののはずみ」と呼びます。そんな「もの」とのかかわり、「はずみ」が楽しく描かれています。
こういう本まで読むようになると、もう「ファン」と呼んでいいのかもしれません。「もの」として、文庫ではなく、単行本が欲しくなる本です。

もののはずみ (角川文庫)

もののはずみ (角川文庫)