パリの古道具屋などで出会った小物にまつわるエッセイです。2ページほどの短い文章が小さな写真とともに50ほど。
「もののはずみ」というタイトルは、ちょっとしたしゃれなのでしょうけれど、著者は、『ひとつの「もの」にあれやこれやと情をかけ、過度にならない程度に慈しむことで、なにか身体ぜんたいをはずませ、ひいては心をもはずませること』を「もののはずみ」と呼びます。そんな「もの」とのかかわり、「はずみ」が楽しく描かれています。
こういう本まで読むようになると、もう「ファン」と呼んでいいのかもしれません。「もの」として、文庫ではなく、単行本が欲しくなる本です。
- 作者: 堀江敏幸
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2009/06/25
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 13回
- この商品を含むブログ (29件) を見る