『「法令遵守」が日本を滅ぼす』の続編のような本です。「法令遵守」という印籠が出されると、もはやいかなる反論も許されなくなり、何が真に問題であるかということを考えることもなく、断罪されてしまうとして、不二家、伊藤ハムの「偽装」、「隠蔽」事件、耐震強度偽装事件、村上ファンド事件、裁判員制度、厚生年金記録「改竄」事件などを取り上げています。著者の指摘は、常日頃私が感じているところに近く、ある意味溜飲が下がるような気分です。
著者は、このような状況を打開するために法曹の役割に期待しているのですが、そういう考え方もあるかと思う一方、この問題は相当に根の深い問題で、それで解決されるようなものでもないのではないかという気がします。
- 作者: 郷原信郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/02/19
- メディア: 新書
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