今は使われない方式の速記で残された古文書は、何と円朝の人情噺だった。本書の中心となるその幽霊噺が終わった後で、実はその噺を書いたのは…という結末に至るまでの、凝りに凝った構成がすばらしい。ミステリーも落語の人情噺も1冊で楽しめる贅沢な本です。
ゼロ年代の50冊に選ばれていたこともあって、辻原登を久方ぶりに読みましたが、大満足でした。
- 作者: 辻原登
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/03/12
- メディア: 文庫
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