HONMEMO

読書備忘録です。

虚空遍歴/山本周五郎

周五郎は、庶民の哀歓を描いて、私の最も好きな作家の1人です。多くの箴言がちりばめられているのも周五郎の作品の特徴ではないかと思います。箴言というのは、一つ間違うと説教くさくなったり、あるいは言葉が薄っぺらいとアホかと壁に投げつけたくなったりするのですが、周五郎の言葉は、作品を読むうちにずっしりと響いてきます*1

虚空遍歴 (上巻) (新潮文庫)

虚空遍歴 (上巻) (新潮文庫)

*1:本書にも後半の僧無仏とのやりとりなど枚挙にいとまありません。