第一次大戦勃発から太平洋戦争開戦前夜までの重光葵の回想録。古谷綱正に口述筆記させたものです。重光葵といえば、ミズーリ艦上での降伏文書調印式の映像が印象的ですが、本書の対象となった時期以降、調印式までの記録は別に刊行されているようです。
戦犯として禁固刑に処せられることになるわけですが、上海事変で海軍の出動を要請したり、東條内閣で外相を務めたりすれば、そういうものでしょうか。本書を読む限り、軍が暴走する中で、当時の現実を踏まえた外交的な解決を真摯に追求した人のように思えます。
- 作者: 重光葵
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2011/07/23
- メディア: 文庫
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