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読書備忘録です。

うらなり/小林信彦

坊っちゃん」という小説は、いわば、坊っちゃんが狂言回しとなったうらなり君と山嵐の悲劇という構造をもつと。なるほど。では、うらなり君の目から見ると「坊っちゃん」の物語はどのようになるか、延岡に飛ばされたうらなり君のその後の人生は…昭和9年になってうらなり君は山嵐が出会い、回想する。
街鉄の技手となったという坊っちゃんのその後が何も語られないのがやっぱり淋しい。語ったらたぶん「うらなり」にならないのだけれども。

うらなり (文春文庫)

うらなり (文春文庫)