ひょんなことから弟夫妻の赤ん坊なずなを預かることになったコミュニティ紙の記者。赤ん坊は世界の中心で、人々をその引力で引き寄せてくる。これは赤ん坊を育てたことのある人(男でも女でも)にはたぶん馴染みのある感覚だろう。育児、赤ん坊のディテールが赤ん坊の頬さながらにとても柔らかく描かれていていることが、読む人を微笑ませ、幸福感を膨らませる。周りの人々も厭味な人が一人も登場しない。こういう小説をずっと読んでいたい…。
- 作者: 堀江敏幸
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2011/05/02
- メディア: 単行本
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