農地制度に大きな問題があるということ、現在の有機・ブランド信仰のまやかしについての指摘など、なるほどというべきところはあるけれど、比較的小規模な技能集約型農業を褒めちぎる一方で、大宗を占める「マニュアル依存型」というレッテルを貼られた農業を批判するだけでは、日本農業の問題解決にはならない。本書では詳しく語られていない、氏の「社会保険料の食生活連動制」「農地転用権の入札制」という提案がどの程度現実味のあるものなのか分からないけれど、「正しい絶望法」といったタイトルをつける著者だけにあまり期待できるようなものではないのだろう。
- 作者: 神門善久
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2012/09/14
- メディア: 単行本
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