副題は、3・11後の哲学。
原発の問題は、倫理上の最も難しい問題であるソフィーの選択ではなく、子供か金かを選ぶ「偽ソフィーの選択」の問題であり、簡単に脱原発という結論の導ける問題にみえる。しかし、そのように簡単な問題となっていないのは、その子供が未来の子供であり、今は「無」であって直接何も訴えないから。そういう場合、ソフィーは、無よりも金を選ぶ方に傾く。
第5章の階級の召命や最後に著者の提案する意思決定の方法など、十分に理解できないところもあるけれど、示唆に富む刺激的な本だった。
- 作者: 大澤真幸
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2012/03/07
- メディア: 新書
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