HONMEMO

読書備忘録です。

サクリファイス/近藤史恵

ちょいとネタばれ注意。
自転車ロードレースでは、チームのエースの勝利という観点から自己犠牲を求められる「アシスト」と呼ばれるポジションがある(主人公白石はこのポジション)。一方、レースに仕組まれた陰謀に、自己犠牲の精神を発揮するのは、「エース」石尾だった。
そんなロードレースの性格を主人公や石尾の犠牲的行為と絡めて描くところやミステリとしての二重底のプロットはなかなか面白い。
ただ、元恋人のエピソードなんかは取ってつけたような感じだし*1、まあ高視聴率2時間サスペンスTVプログラムみたいな…。

サクリファイス (新潮文庫)

サクリファイス (新潮文庫)

*1:編集者にやっぱりいい女を出さなくちゃとか言われて無理やり出してんじゃないの?って感じ。リアリティまったくなし。