著者は、茨城県で脱サラして野菜を有機農法で栽培しているが、有機農法を採用しているのは、有機農業が「安全」「美味しい」「環境にいい」というのはウソ(神話)であると認識した上で、有機農法が栽培時期(旬)、品種、鮮度という「野菜の美味しさの三要素」を満たしていることが多いからだという(目的としてではなく手段として採用しているのだと)。意図的にか無意識にか、有機神話がはびこるなかで至極真っ当な考え方だと思う。
この手の元気な農業者の本はいろいろあるが、生源寺眞一氏の言うように、このような農家で日本を埋め尽くすことはできないということは常に念頭に置いておく必要があるだろう。
- 作者: 久松達央
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2013/09/14
- メディア: 新書
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