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HONMEMO

読書備忘録です。

毛沢東の大飢饉/フランク・ディケーター

 1960年前後の大躍進政策の実情を、なお限定的ながら入手できるようになった、とう(木へんに当)案館と呼ばれる公文書館の資料を中心に明らかにしたもの。これまで、死者3200万人といったデータもあったが、4500万人に上るという。一人一人の死は重いといっても、まあこれくらいの膨大な数になると、1000万人も誤差のうちみたいな感覚に捉われる。
 大躍進運動のあきれるほどの非科学性(農業における深耕、密植、雀の駆除、製鉄における非効率極まりない土法高炉など)、無謀な大灌漑工事や森林伐採などの行き過ぎた公共工事、計画達成のためのあらゆる面での統計の水増し(大豊作という水増しデータに基づく大不作の中での輸出拡大とか)による保身、拷問、暴力、殺人・・・。のちの文化大革命における大粛清のような権力による抹殺というのもあるが、それ以前に、大躍進というスローガンの下に非科学的な農業・公共事業・貿易政策に固執、過大な目標を設定し、それを達成するために膨大な餓死者を出したというところがなんとも恐ろしい。いまなお、これを公式に認めない体制というのはもっと恐ろしい。

毛沢東の大飢饉  史上最も悲惨で破壊的な人災 1958?1962

毛沢東の大飢饉 史上最も悲惨で破壊的な人災 1958?1962